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バルセロナに垣間見えた“戸惑い”。開幕戦不発の原因は? レバンドフスキの起用が持つ“博打”の側面【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 本田千尋 photo by Getty Images

レバンドフスキの融合は可能なのか?



 特に可能性があるのは、ペドリとのホットライン開通だ。ペドリという稀代のコンダクターであれば、欧州屈指のFWであるレバンドフスキの足元に合わせるのは、さほど難しいことではないのではないか。“ペドリーレバンドフスキ”のラインが開通すれば、ポーランド代表FWもバイエルン時代の輝きを取り戻すに違いない。

 一方で、“ずっと出てこない”可能性もある。過去を振り返ると、かつて09/10シーズンにズラタン・イブラヒモビッチの導入に失敗して以来、バルセロナの前線でCFタイプの選手がレギュラーを張ることはなかった。ズラタン以降、主にリオネル・メッシやルイス・スアレスといった機動力のあるアタッカーが最前線で動いてバルセロナのサッカーは機能してきたが、レバンドフスキのトップ起用は、その流れに反するところもある。

 何が言いたいのかというと、ポーランド代表FWの能力ではなく、タイプの問題でフィットできないのではないか、ということだ。よって最悪の場合、周囲との連係を構築することができず、ズラタンのように去っていく可能性もある(レバンドフスキが性格的にチャビ監督と合わない、ということはなさそうだが)。

 このように考えると、レバンドフスキの加入とワントップ起用は、ちょっとした“博打”の側面もあるのかもしれない。

 いずれにせよ、開幕してなお“新戦力の融合”が課題となっているバルセロナだが、中でもミュンヘンからやってきたポーランド人FWがフィットできるかどうかは、今季の浮沈の行方に関わること、と言えそうだ。

(文:本田千尋)

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