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強くなったアーセナルが見せた成熟の証。ドン引きの昇格組からゴールを重ねた“強者の戦い方”とは?【分析コラム】

text by 編集部 photo by Getty Images

守備も危なげなく「首位」に



 後半になるとボーンマスは昨季まで使っていた4-3-3のシステムに戻し、前半と比較すると見違えるようにボールを持って攻めることができるようになった。ポゼッション率は前半が27%だったのに対し、後半は60%、シュート数は0本から6本に上昇していることから見ても流れが変わり始めたのは明らかだ。

 アーセナルからすると1点返されると嫌な流れになり兼ねない展開だったが、54分にウィリアン・サリバの加入後初ゴールが生まれリードは3点に。これまでのアーセナルであれば、このような展開で相手の勢いに飲み込まれることもあったが、点が欲しいところでゴールを奪えるのが今の彼らの強さを証明している。

 アーセナルの守備に話題を移すと、サリバは196cmのキーファー・ムーアに空中戦で全敗するなど、後半は攻め込まれる場面もあったが、最大のピンチは守護神アーロン・ラムズデールが横っ飛びのセーブでシュートを枠外に弾いて難を逃れた。

 75分には冨安健洋、88分にはキーラン・ティアニーを投入と、交代枠が5に増えたことをフル活用し、最後は選手層が厚くなったDF陣を投入してゲームを締めた。

 強者の戦い方で見事ボーンマスに3-0の快勝を収めたアーセナルはこれで開幕3連勝。マンチェスター・シティが今節の試合を消化していないため暫定ではあるが首位に立った。開幕3試合といえば、昨季は悪夢の3連敗を喫していたわけで、1年で正反対の好成績を収めることができているのは、アルテタが率いる若いチームが成熟してきた証拠だろう。(文:安洋一郎)

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