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強くなったアーセナルが見せた成熟の証。ドン引きの昇格組からゴールを重ねた“強者の戦い方”とは?【分析コラム】

text by 編集部 photo by Getty Images

相手守備陣の隙を突いたアーセナル



 ボーンマスは5バックで相手選手に対してマンマークに近い守備戦術をとっていた。これは相手選手に最後までマークに付くことができれば有効なのだが、一度剝がされてしまうと後手を踏んで守備にほころびが生まれてしまうリスクが伴う。

 これに上手く対処し、ボーンマスの隙を突いたのが、今季からアーセナルで背番号9を背負うガブリエウ・ジェズスだった。5分にロングボールを足下で収めると同時に相手のマークを剥がすと、ボーンマスの守備対応は一気に後手に回った。そこからジェズスは中央のエリアで1人、2人、3人と立て続けにドリブルでかわして好機を演出し、最後はマルティン・ウーデゴールがこぼれ球を流し込んで先制に成功した。

 昨季までボーンマスは4-3-3と4-2-3-1を併用しており、この5バックはプレミアリーグのクラブをリスペクトした上での戦術だった。しかし、マークの受け渡しの甘さや、ウイングバックが縦にスライドしてプレスに出ていかないなど、急造のためもあって完成度が低く、アーセナルからすると崩すことが難しくない相手だった。

 アーセナルが2点目を決めた場面でもボーンマスは前述した「マークの受け渡し」が出来ておらず、ブカヨ・サカとベン・ホワイトのシンプルな右サイドでのパス交換だけで、エリア内まで侵入させてしまった。

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