フットボールチャンネル

アーセナルは最悪だった。逆効果のアルテタ采配、相性最悪、戦犯となったのは…【EL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

先発フル出場で全く試合に関与できなかった男



 この試合でワーストの出来だったのが、ストライカーのポジションで先発フル出場したエディ・エンケティアだろう。

 昨季終盤のゴールラッシュでミケル・アルテタ監督の信頼を掴み、今夏に契約延長を勝ち取ったクラブ生え抜きのストライカーは、今季も開幕直後は流れを変えるプレーなどを随所にみせてコンディションが良好だった。

 ところが直近の数試合は明らかにコンディションを落としており、中盤や最終ラインからの縦パスを全く収めることができない上に持ち前のスピードを生かした裏抜けのアクションも少ない。どんなボールでも足下で収めて、攻撃の起点となれるガブリエウ・ジェズスとのパフォーマンスの差は顕著になっている。

 今節もボールを引き出すことができず、中央でパスを受けたとしてもそこからの打開策に乏しく、90分間試合から消え続けていた。データサイト『Sofa Score』によると64分からの出場だったガブリエウ・ジェズスのボールタッチ数が20回だったのに対し、フル出場のエンケティアは27回と、両者の差は「7」タッチしかなく、このスタッツが試合に全く関与できなかったことを象徴している。

 唯一の得点チャンスだった78分の決定機もシュートを決めきれず、この試合の戦犯となってしまった。

1 2 3 4

KANZENからのお知らせ

scroll top