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アーセナルは最悪だった。逆効果のアルテタ采配、相性最悪、戦犯となったのは…【EL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

逆効果だったアルテタ采配


 選手のパフォーマンスがいまいちだったのも敗因の一つだが、アルテタ監督の采配も振るわなかった。トーマスをロコンガと代えようと準備をしていた55分にPSVに先制点を献上。その結果、全てが後手に回る采配となってしまった。

2点を追いかける64分にはCBのロブ・ホールディングをベンチに下げて、ジェズスを投入し、フォーメーションを4-2-3-1から3-4-1-2の形に変えてゴールを目指したが、却ってこれが逆効果に。

本来はゴール付近でプレーをさせたいマルティネッリとサカをウイングバックとして起用したため、彼らはゴールから遠い場所でのプレーとなった。特にサカは味方選手との近い距離でのコンビネーションなどを得意とする選手であり、ウイングバックではあまり良さを発揮できない。

また彼らが高い位置を取ることでその背後に広大なスペースが生まれ、そこをPSVのコーディ・ガクポに何度も突かれた。ツートップのジェズスとエンケティアの相性も最悪だった。

試合終了まで全くと言って良いほど可能性を感じられない時間が流れ、その試合内容は今季最悪と断言できるだろう。全てが嚙み合わなかった今節の反省を「糧」として、今後に生かせるかどうかが、今季のアーセナルの命運を握るかもしれない。

(文:安洋一郎)


【了】

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