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久保建英 1年前

「戦略勝ち」だった久保建英。見事なまでに相手を翻弄、冴え渡る一瞬の判断とは?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

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ラ・リーガ第21節、エスパニョール対レアル・ソシエダが現地時間13日に行われ、2-3でアウェイチームが勝利している。サッカー日本代表MF久保建英は、フル出場を達成。芸術的なボレーで先制ゴールを奪っただけでなく、オウンゴールも誘発と大活躍だった。今や三笘薫とともに、止められない存在になりつつある。(文:小澤祐作)


3-0で勝負ありかと思いきや…


【写真:Getty Images】

 少し予想外の結末となった。

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 エスパニョールのホームに乗り込んだレアル・ソシエダは、ミケル・オヤルサバル、アレクサンダー・セルロート、久保建英を前線に並べた4-3-3を採用。先発復帰が予想されたミケル・メリーノやアレックス・ソラはベンチスタートとなった。

 エスパニョールは守備時、高い位置からプレッシャーをかけず、オーソドックスな4-4-2で構えていたのだが、それはソシエダを困らせるほど強固なものではなかった。とくに、ボールの位置に応じて的確にポジションを変えるマルティン・スビメンディを捕まえるのに苦労しており、随所で数的優位を作られ、簡単に前へと運ばれている。

 アンカーのスビメンディが攻撃の起点として機能したことで、ソシエダのインサイドハーフと3トップの選手は必然と高い位置にポジショニングすることができ、人数をかけた攻撃を展開した。そして23分、久保の芸術的なボレーで先制に成功。その後は追加点を奪えなかったが、危なげなく前半を終えた。

 後半に入り、1点ビハインドのエスパニョールがより前への意識を強めてきたことで、ソシエダはスビメンディを起点とした攻撃を展開するのが難しくなった。しかし、中盤を飛ばしたロングボールを巨漢FWセルロートに当てるなど、相手が前がかりになっているのを逆手に取ることで高い位置でのプレーを継続。ボールを奪ってからの組み立ては相変わらず丁寧で、エスパニョールに流れを渡すことがなく、51分と63分に得点を奪ってみせた。

 終盤に入り2失点を喫したのは予想外だったが、ソシエダは逃げ切りに成功。1試合未消化の2位レアル・マドリードとのポイント差を「3」に詰め、プレッシャーを与えている。

 しかし、3試合ぶりの勝利を手にしたソシエダだが、チームを率いるイマノル・アルグアシル監督は少し“怒っている”ようだ。

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