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柔軟なマンCと頑固なアーセナル。一枚上手だったグアルディオラ監督の采配とは?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

柔軟だったペップ


【写真:Getty Images】



 マンチェスター・シティの激しいプレッシングが冨安健洋のミスを誘い、アウェイチームが先制に成功。それでもアーセナルは前半終了間際にPKを獲得して前半を1-1で折り返した。

 この時点で両チームのポゼッション率は59%と41%、枠内シュート数は1本ずつと、試合終了後のスタッツと比較をすると差がない。これは、後半に試合が大きく動いたことを意味している。

 最初に動いたのはシティのジョゼップ・グアルディオラ監督だった。前節アストン・ヴィラ戦に続き今節もベルナウド・シウバを“偽SB”として起用し、ボール保持時は中盤、被ボール保持時は左SBの位置でプレーさせていた。ところが、このポルトガル代表MFは前半終了間際に対峙するブカヨ・サカに対してイエローカードを献上。ドリブル突破を得意とするサカとこれ以上マッチアップすることはリスクがあった。

 そこでペップは61分にCBのマヌエル・アカンジを投入して、リヤド・マフレズを下げ、シウバを右WGに配置した。そしてこの交代をきっかけにシティは相手陣内でのプレス強度を高めて、72分と82分にアーセナルのビルドアップのミスを誘って勝ち越し&ダメ押しのゴールを決めている。

 後半はゴールシーン以外にもシティは決定的なチャンスを作っており、5本のシュート全てが枠内に飛んでいる。百戦錬磨の“名将”の見事な采配で試合の流れを掴んだのだった。

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