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なぜマンUに逆転負け? 欧州で勝てないバルセロナは「成長している」のか?【EL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

国内では無双も欧州で突きつけられた現実



 冒頭にも記した通り、これでバルセロナの今季欧州大会での旅は終わった。大量の選手を獲得しながらチャンピオンズリーグ(CL)ではグループリーグ敗退、ELでは決勝トーナメントプレーオフで敗退と、非常に情けない結果だ。

 ラ・リーガでは2位レアル・マドリードを大きく突き放すなど、圧倒的な強さを発揮しているバルセロナ。とくに失点数の少なさが驚異的で、22試合を消化した時点で「7」失点しか喫していない。

 一方で今季欧州のコンペティションに目を向けると、8試合で16失点を喫しており、無失点で終えた試合がない。バイエルン・ミュンヘン、インテル、そしてユナイテッドと強敵ばかりであることは事実だとしても、あまりに多い。CLグループリーグに関しては守備の中心であるアンドレアス・クリステンセン、ロナルド・アラウホ、ジュール・クンデが揃う試合が少なかったという見方もあるが、彼らが揃ったユナイテッド戦ですら2失点しているので、言い訳にはならないだろう。

 ラ・リーガでは相手陣内でのプレー時間が大半であり、そこでの即時奪回も苦ではない。つまり“押し込まれる状態”が圧倒的に少ない。シャビ監督としては、CLやELでもそれをベースとしたサッカーを展開したいはずだが、そうもいかず、その結果「個」に頼ったディフェンスは上記のような大量失点を招いてしまっている。井の中の蛙と表現するしかないだろう。

 ユナイテッド戦後、レバンドフスキは「シャビのチームは確実に成長している。さらに強くなって来季はCLに戻ってくる」とコメントを残していた。今はその言葉通りのことを期待するしかない。

(文:小澤祐作)

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