フットボールチャンネル

ラッシュフォードを蘇らせた「師匠」。マンチェスター・ユナイテッドに加入した専門家は背番号10に何を教えたのか【コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

ラッシュフォードを覚醒させたのは何者?

【写真:Getty Images】



 その男とは元南アフリカ代表FWベニー・マッカーシーのことである。

 現役時代は南アフリカ史上最高のストライカーとも謳われ、ポルト時代にはジョゼ・モウリーニョ監督の下でUEFAチャンピオンズリーグ(CL)優勝を達成。ブラックバーンに所属していた2006/07シーズンにはプレミアリーグで得点ランキング2位の18得点を決めるなど、選手として確かな実績を残した名選手だ。

 現在45歳のマッカーシーは現役引退後、当時住んでいたスコットランドのハイバーニアンでアシスタントコーチとして指導者キャリアをスタートさせ、日本でも馴染みのあるシント=トロイデンでも同職を務めている。その後、母国である南アフリカのケープタウン・シティとアマズールFCの監督を歴任。そして今季より、エリック・テン・ハフが監督に就任したマンチェスター・ユナイテッドのコーチングスタッフとして入閣した。

 テン・ハフらアヤックスからユナイテッドに加入したコーチングスタッフとマッカーシーに直接的な繋がりはなかった。だが、CBだったテン・ハフをはじめ、彼のコーチングスタッフは現役時代に中盤より後ろのポジションでプレーしていた人物が大半であり、オランダ人指揮官はストライカーのスペシャリストを求めていた。そこで白羽の矢が立ったのがマッカーシーだったのだ。

 米『The Athletic』によると、幼少期からユナイテッドの大ファンだったマッカーシーは、コーチングスタッフとして招聘してもらえることがわかると、自らの給与がいくらになるかを一度も聞かずにサインをしたそうだ。

1 2 3

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!