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久保建英 1年前

久保建英が大エースよりも優れている能力とは。不調のソシエダが取り戻すべき強み【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

久保建英のパフォーマンスはどうだった?


【写真:Getty Images】



 トップ下で先発した久保はフル出場を果たした。シルバやモハメド=アリ・ショーらが戦列復帰している中でもベンチに下がらなかったのは、アルグアシル監督の信頼の表れと言っていいだろう。

 なかなかボールを受けられない時間帯もあり、役割が多少違うとはいえど、このあたりはやはりシルバの偉大さを感じた。しかし、崩しのアイデアなどは光っていた。前半終了間際には巧みなボール奪取から繊細なパスを前線に送り、C・フェルナンデスの絶好機を演出。完全にGKと1対1の状況だったので、決めてほしかったところだ。

 とくに素晴らしかったのが51分だ。久保は周りを見ながらドリブルして相手陣内深くに侵入すると、ボックス内のオヤルサバルに絶妙なスルーパス。これはわずかに合わなかったが、エースとのイメージを完璧に共有できており、ゴールへの可能性を感じさせた好プレーだった。

 シルバが入ってからはサイドにポジションを移した久保。72分にはそのシルバとの細かいパス交換からカディスDF陣を翻弄するなど、試合中の変化にも柔軟に対応していた。ゴールやアシストでチームに貢献することはできなかったものの、フル稼働が続いていることを考えれば十分なパフォーマンスだった。

 ただ、久保の使い方がもったいないと思わされたのも事実だ。

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