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久保建英 1年前

久保建英が大エースよりも優れている能力とは。不調のソシエダが取り戻すべき強み【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

レアル・ソシエダが取り戻すべき強みとは?



 好調だった時のソシエダも、ビルドアップで相手を圧倒していたわけではなかった。では、何を強みとして勝ち点を積み重ねていたのか。それは、ハイプレスからのショートカウンターである。

 そのハイプレスのスイッチを入れていたのが、久保とアレクサンダー・セルロートの2トップだ。とくに、日本人レフティーの貢献度は抜群に大きかった。

 今回2トップに入ったオヤルサバルも守備で頑張れない選手ではない。しかし、その“精度”に関しては間違いなく久保が上手で、相手に対しガッチリとハマる形が多く、その分質の高いカウンターに繋げることができていた。

 しかし、今のソシエダは久保が最前線にいない。そもそもビルドアップを得意としていないチームは、いわば唯一とも言える武器を失っている状態なのだ。

 アルグアシル監督はオヤルサバルを使い続けている。同選手はソシエダのエースで、宝でもある。それゆえに簡単にベンチへ追いやることができない存在なのは理解できるが、現状はオヤルサバル起用のメリットが少ないと言わざるを得ない。左ウィングが存在する4-3-3は機能せず、2トップの一角としても攻撃のスペシャリティを発揮できなかった。もちろん、チームの不調が全てエースの責任にあるわけではなく、シルバが長く不在だった影響も大きいだろう。ただ、今回4-3-1-2に戻したことからも、エースの復帰で試行錯誤の状態なのは明らかである。

 シルバが復帰した今、ソシエダはシルバのトップ下、久保とセルロートの2トップという強みを取り戻すべきではないだろうか。

(文:小澤祐作)

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