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リバプール、最悪の補強は…歴代ガッカリ高額移籍5人。総額188億円、大金を無駄にした男たち

シリーズ:歴代ガッカリ高額移籍5人 text by 編集部 photo by Getty Images

FW:ロビー・キーン


【写真:Getty Images】


生年月日:1980年7月8日
移籍金:2400万ユーロ(約29億円)
在籍期間:08年夏~09年冬
リーグ戦成績:19試合5得点4アシスト

 ロビー・キーンは「アイルランドの英雄」としてサッカー史にその名を残す存在だ。クラブでは長くトッテナムで活躍し、キャリアの終盤にはアメリカ合衆国、さらにはインドといった国でもプレーした。同選手の側転してから前転する独特のゴールパフォーマンスを覚えている人も多いのではないだろうか。

 そんなキーンが少年時代からの憧れだったというリバプールにやって来たのは当時28歳の2008年。移籍金は2400万ユーロ(約29億円)と当時としては高額で、背番号は過去にケニー・ダルグリッシュやケビン・キーガンらが身に着けた「7番」を与えられた。しかし、キーンはリバプールでフィットできず。たった7ヶ月の在籍で古巣トッテナムに復帰することになった。

 リバプールOBであるジェイミー・キャラガーは後に「正直に言うと、そもそもロビー・キーンを購入した理由がわからなかった」と当時を振り返っている。それは、決してキーンの能力を評価していないというわけではない。リバプールはキーン加入の前シーズンにフェルナンド・トーレスを獲得し、同選手を最前線、そして10番にスティーブン・ジェラードを置く形で成功していたので、中央を本職とするキーンが入る余地がなかった、とキャラガーは思っていたようだ。

 実際、当時のラファエル・ベニテス監督によって「左ウイングに変えられようとしていた」ことは、後にキーン本人の口から明らかとなっている。それがシーズン開幕前の出来事であったため、その時点で同選手はリバプールでうまくいかないことを悟ったよう。トーレスの負傷離脱中は中央で起用されていたが、それが約半年で退団する原因になったと言える。なお、キーンは「私はラファを尊敬している。残念ながら、彼の目指すサッカーには合わなかったけどね。もし他の監督であれば、(状況が)違っていたかもしれない」とも話していた。

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