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バイエルンを圧倒したマンCのプランとは? ミスを誘ったペップの策略【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

追加点も“良い守備”から



 後半になるとバイエルンは、シティの可変式の最終ラインの弱点を見つけて、中央のエリアを縦に速く攻める攻撃プランに変更。積極的にシュートを放ったザネを筆頭にドイツ王者は同点に追いつこうという意欲を見せたが、最後の局面ではシティの守護神・エデルソンが立ちはだかった。

 49分のビッグセーブや59分の積極的な飛び出しでのクリアなど、このブラジル代表GKの好守で流れを渡さなかったシティは、70分に前線の守備から追加点を奪う。

 グリーリッシュが右CBのウパメカノに対してパスコースを切りながら距離を詰める絶妙なプレッシングでボールを奪うと、アーリング・ハーランド、ベルナルド・シウバへとボールが繋がり待望の2点目を記録。そして76分にはエース、ハーランドにもゴールが生まれ、シティが3-0とバイエルンを引き離した。

 この追加点の場面を筆頭にマンチェスター・シティはバイエルンに対して良い守備からミスを誘い続けていた。

 14分にはハーランドがゾマーへとプレスをかけたことで、このスイス代表GKは何とかタッチラインへとボールをクリア。50分にはグリーリッシュがウパメカノとゾマーの連係ミスを突いて決定機を演出している。

 このように試合を通じて、守備から流れを引き寄せたマンチェスター・シティとミスから流れを明け渡したバイエルンという構図がはっきりとしていた。これが3-0という結果に繋がったと言えるだろう。

(文:安洋一郎)

【了】

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