フットボールチャンネル

待ち受ける悪夢。マンUが抱える2つの問題。なぜラッシュフォードは消えたのか?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 竹内快 photo by Getty Images

マンチェスター・ユナイテッドが修正すべきだったポイント



 思えば、ウルヴァーハンプトン戦でもユナイテッドは中盤に問題があった。B・フェルナンデス、マウントをより高い位置で使いたかった指揮官は[4-1-4-1]のフォーメーションを採用した。しかしこのフォーメーションではアンカーのカゼミーロに大きな負担がかかる。カゼミーロにはインサイドハーフと最終ラインの間に空いた広大なスペースを1人でカバーすることが求められ、対応に苦戦していた。

 ウルブズはこの試合で[4-4-2]の形を採用していたため、カゼミーロ1人が複数のウルブズの選手を見なければならないシーンが何度かあった。結果、カゼミーロのポジショニングが悪くなり、スピードと技術をもっていた相手FWクーニャに中央突破を許してしまった。

 今回、マウントが前の試合から1列下がったボランチの位置で使われたのはウルヴズ戦の反省からだろう。2ボランチとすることでカゼミーロのタスクを減らす狙いがあったと思われる。しかし対策をしたものの、結果的にポロとサールによってマウントが釣りだされてしまったことでまたも相手に中盤に数的有利な状況を作られてしまっていた。

 フレッジが抜けた今、ユナイテッドの中盤の機動力は下がりつつある。プレシーズンマッチからカゼミーロのコンディションが万全でないことを考えると、ボランチの位置に攻撃的なマウントを置くことはあまり得策ではないだろう。今夏加入した新7番はボランチよりも高い位置でプレーした時、今よりもさらに輝くはずだ。ユナイテッドにはこの試合途中出場したクリスティアン・エリクセンなどベンチメンバーにも高いクオリティをもった中盤の選手がいる。指揮官は中盤のチョイスを再考すべきだろう。

 修正すべきだったポイントの2つ目は、指揮官が選んだ攻撃スタイルが選手に適していなかったことだ。

1 2 3 4 5

KANZENからのお知らせ

scroll top