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久保建英 8か月前

久保建英、やっと見つけた最高の相棒。武闘派でも自己中でもない、器用な男とは?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

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ラ・リーガ第4節、レアル・ソシエダ対グラナダが現地時間2日に行われ、5-3でホームチームが勝利している。サッカー日本代表MF久保建英は右ウィングとして先発出場。自身の2ゴールなど、4得点に関与する大活躍を披露した。個の能力はもちろんのこと、ある選手の献身的サポートが、活躍につながったと言えそうだ。(文:小澤祐作)


レアル・ソシエダは今季初勝利で一安心も…

ラ・リーガ第4節、グラナダ戦で先制ゴールを決めたレアル・ソシエダの久保建英
【写真:Getty Images】

 一安心といったところだろう。レアル・ソシエダが、4試合目にしてようやく今季初勝利を手に入れた。

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 グラナダはかなり守備的な戦術を採用していたが、その完成度は高くなく、中盤と最終ラインの連動性を大きく欠いていた。そうした中でソシエダは余裕を持ってボールと人を動かすことができ、立ち上がりから敵陣深い位置でのプレーを継続している。

 ミケル・オヤルサバルの0トップ起用が思いの外ハマったこともあって過去3試合にはなかったバイタルエリアでのクオリティーが生まれ、サイド攻撃一辺倒を回避。両ウィングのパフォーマンスレベルは相変わらず非凡で、積極的に高い位置を取るインサイドハーフとうまく連係しながらボックス内へ侵入するなど、昨季のような迫力ある攻撃がこの日のアノエタにはあった。その結果、今季わずか「2点」止まりだったチームは、一気に5得点を奪ってしまった。

 しかし、変わらない弱点も露呈している。

 76分の時点で5-1とし、勝負を決定づけたソシエダは、79分以降にフレッシュな4人を一気に送り出して試合を締めにかかった。ところが、ウマル・サディク、モハメド=アリ・ショー、アルセン・ザハリャンという前線3人が期待に応えられずにいると、その後チームは2点を許してしまった。交代選手がうまくゲームに入れず、チーム全体のクオリティーが落ちて相手にやられてしまうというケースは、昨季から多くあることだ。

 当然ながらイマノル・アルグアシル監督も3失点には納得していない。スペイン紙『マルカ』によると、同指揮官は試合後「勝てたことはとても嬉しいし、いくつかの局面ではかなり良いプレーができた。しかし、5-3ではなく、8-1で終えるチャンスがあった。タケ(久保建英)に活を入れたように、今度はフレッシュな選手たちに活を入れるだろう」と話していたようだ。

 ちなみに「タケへの活」というのは、グラナダ戦の前日会見であった発言だ。開幕から3試合連続でMOMに輝いた久保について問われたアルグアシル監督は「私は同意していない。確かに、彼は好スタートを切った。しかし、本当ならば現時点で4得点4アシストは記録しているはずだ」とコメントを残していたのだ。

 もちろん、単なる攻撃的な発言ではない。今の久保ならば、もっとできる、もっとやってくれる、という期待の表れだろう。

 そんなスペイン人指揮官の言葉は、しっかりと久保に響いたのかもしれない。背番号14は、グラナダ戦でワールドクラスの輝きを放った。

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