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伊東純也は「習性を利用して…」スピードだけではない、「1対1を仕掛ける」技術【特集:松井大輔のドリブル分析】

シリーズ:松井大輔のドリブル分析 text by 松井大輔 photo by Getty Images

右利きの伊東純也が右サイドで輝ける理由とは

スタッド・ランスでプレーする伊東純也
【写真:Getty Images】

 サイドを務める選手は、誰しも自分が勝負できる局面を理解してプレーしているはずです。プレーしているエリア、相手や味方とのシチュエーション、試合の状況や環境、時間帯などさまざまな要素を考慮しています。スペースもそのひとつに挙げられ、勝負するにはスペースが必要といっても個人差が出てきます。伊東でいえば三笘薫や久保建英が必要とするスペースより広いほうがいいといえ、前方にスペースが広がっている状況でボールを受けられれば、絶大な力を発揮することでしょう。

 右サイドを務めることが多い伊東は右利きです。近年、サイドから内側へカットインを仕掛けてシュートを狙う選手が多いなか、伊東は縦方向に相手を抜ききって正確なクロスボールを供給できます。

 サッカー選手のアスリート化が進むなか、スピードやインテンシティに優れた選手が多くなったため、なかなか縦方向へ相手を抜ききることが難しくなっています。そういった背景のなかでも、ずば抜けたスピードを持つ伊東は縦方向へ抜ききることができる稀有な選手として価値の高さを示しています。

 それでも、リーグ・アンはアフリカ系の選手を筆頭にスピードに優れた選手が多いリーグで、伊東でも抜ききれない状況は多々あることでしょう。それを踏まえて、2月18日に行われた第22節RCランス戦のアシストとなったシーンを見てもらいたいです。

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