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日本代表 2か月前

久保建英が辿り着いた新たな境地「余裕があるので…」23歳の変化がサッカー日本代表にもたらすものとは?【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

「タケが『純也君、純也君、純也君』って…」

 当時の彼は「自分が自分が」と前のめりになりすぎて、空回りすることが少なくなかった。バルセロナのアカデミーで育ち、10代の頃から飛び級を繰り返してきた分、「早く代表のレギュラーになりたい」「看板アタッカーにならないといけない」といった強迫観念のようなものに囚われていたのだろう。

「(今は)大人になったのが1つで、余裕があるので。『僕が僕が』が全てじゃないですし、あくまでチームスポーツなんで。僕がいろんな選手のよさを出そうというのは、今日の試合に限っては特に意識してましたね。

 このチームはみんなギラギラしてるので、そのギラギラを1つにまとめるじゃないけど、みんなのギラギラがいい方向に行くようにしたいと考えていました」と久保は23歳にして新たな境地に辿り着いた様子だ。

 そうやって肩の力が抜けたプレーをしていれば、必ず自分自身も輝けるシーンが訪れる。それが終了間際のチーム7点目だろう。途中出場の田中碧(リーズ)が右サイドを崩して送ったマイナスクロスを左サイドで受けた伊東は「ホントは自分で打とうと思ったんですけど、タケが『純也君、純也君、純也君』って叫んでるのがメチャクチャ聞こえてた。それでタケに落として、任せてみようと思ったんです」と笑顔を見せる。

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