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日本代表 2週間前

堂安律のシュートはGKの判断を一瞬迷わせる。「骨盤の回旋」の連動がもたらすキックの特徴とは?【動作分析コラム】

シリーズ:動作分析コラム text by 三浦哲哉 photo by Getty Images

GKの反応が一瞬遅れる。骨盤の回旋をうまく利用した蹴り方

【動画 日本代表対シリア代表 堂安のゴール】

参照元:YouTube

 右サイドでパスを受けた後、ドリブルで相手選手と間合いを詰め、グッと沈み込みながら右足でタタンッと連続でステップを踏んでタイミングを外しています。

 2つ目の右足のステップから『沈むバネ』を使ってギュンと加速することで相手選手を外し、ワンステップで素早く軸足を踏み込んで『骨盤の回旋と連動して蹴り足を内側に振り抜く』ことで、ニアサイドに強烈なシュートを放っています。沈むバネとは、『上半身の重さを骨盤に乗せて重心を落とすことで生まれるバネ』のことを指し、トップレベルの選手ほどその質が高くなるため、鋭い方向転換からのスムーズな加速が可能になります。

 キックのボールインパクトでは、上半身(へその向き)がゴールに対して垂直方向〜ファーサイドに向いていますが、そこから蹴り足(左)と連動して骨盤の左側をグーッと前に押し出していくことで、身体がクルッと回転してニアサイドに蹴る形になります。

 ゴールキーパーとしてはファーサイドを狙っているような体勢にも見えるので、一瞬反応が遅れることになります。フォロースルーでは軸足が地面から外れず、蹴り足はキレイに内側に振り抜かれて軸足に巻き付くような形でストンっと着地するフィニッシュになります。

 軸足に着目すると、踏み込んだあとに骨盤の回旋と連動して股関節が伸展することで、上半身が前上方に移動する動きが出現します。『起こし回転』と呼ばれるこの動きがスムーズだと、蹴り足のスイングと捻りに加えて、身体の重さが前方に移動する動きもキックに参加させられるため、短い助走でもボールインパクトを強くすることが可能になります。

 上半身は、テイクバック〜ボールインパクトの局面では、腕の振りにリードされる形で胸郭を骨盤と反対方向に回旋することで捻る動きのサポートをしますが、このキックをするためにはもう一点、重要なポイントがあります。

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