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堂安律のシュートはGKの判断を一瞬迷わせる。「骨盤の回旋」の連動がもたらすキックの特徴とは?【動作分析コラム】

シリーズ:動作分析コラム text by 三浦哲哉 photo by Getty Images

「蹴り足×軸足×上半身」キックはこの3つの掛け合わせで決まる

 カットインからのシュートにおける蹴り足、軸足、上半身の動きを大別すると、蹴り足は『インパクトの直前で骨盤の回旋を止めて走らせる』↔︎『骨盤の回旋と連動して内側に振り抜く』、軸足は『股関節の伸展(起こし回転)』↔︎『膝を抜く』動きになります。さらには、フォロースルーで上半身は『ねじり戻し』↔︎『身体全体の向きを変える』動きが参加します。

 トップレベルの選手ほど、この『蹴り足×軸足×上半身』の組み合わせ方やそれらの動きの比率(どれくらいの角度で骨盤を回旋するか、膝を抜くか、等)が多彩になるため、状況に応じてキックのフォームを微調整する能力も高くなります。助走速度や角度、ボールの置きどころに合わせて動作の最適解を出すことで、質の高いキックが可能となるのです。

 堂安はニアサイドへのシュートは得意な形ですが、『形』といっても全て同じフォームで蹴っているわけではありません。カタールW杯のスペイン戦で決めたゴールは、先に解説した2つのシーンで言うと、シリア戦での形の延長上にある蹴り方になります。

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