「それはいい兆候」。アジアカップ以降に見えた日本代表の変化
アジアカップ時の彼は、相棒である遠藤航との距離感や立ち位置に迷い、試合を追うごとに下降線を辿っていった。日本は大会途中に基本布陣を4-2-3-1から4-1-4-1へシフトしたが、守田はインサイドハーフ(IH)のレギュラーから外され、旗手怜央にポジションを奪われたのだ。
その旗手がバーレーン戦で負傷したことで、再び出番が回ってきたのだが、最後まで確信を持ったプレーができなかった。そして、イランに敗戦した後には「もう少し明確な指示がほしかった」と森保監督やコーチングスタッフに助けを求めるような発言をしたのである。
「あの後、選手間だったり、スタッフを交えてのディスカッションは以前より増えた。それはミーティングもそうですけど、練習で提示されたものに対して、少しうまくいかなかった時には『もっとこういうふうにできるんじゃないか』という話をお互いにしているので、それはいい兆候。いい改善ができていると思います」
本人もこう自信をのぞかせた。
確かにアジアカップ以降の日本代表は「もっと自分たちで率先してアクションを起こさなければいけない」という意識や自覚が高まっている印象が強い。
その火付け役となったのは、再招集された大ベテラン・長友佑都であり、最終予選からコーチングスタッフ入りしたレジェンド・長谷部誠コーチとも言えるが、選手個々の自覚も強まっている。
今シリーズでは、帰国時に堂安律が気合を入れるためのメディア対応を実施。トレーニングでも、中村敬斗や久保建英といった若手が進んで先頭を走るようになっている。キャプテン・遠藤航も目に見える変化を感じている1人だ。