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コラム 2か月前

「やっぱりそうなのかも…」サッカー日本代表、前田大然が意識してしまったこと。決定機逸に影響?「僕自身も…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

結局、序盤の立て続けの絶好機を逃したことが、試合の明暗を大きく分けることになった。

 時間を追うごとにサウジアラビアが守備修正を図ってきて、日本は攻めあぐねたまま前半を終了。後半突入後も前田は裏抜けの意識を持ち続けたが、どうしても得点という結果に結びつけられず、苛立ちが募ったはずだ。

 森保監督も堂安律や伊東純也といった持ち駒を続々と投入。それでもスコアが動かないと見るや、今度は古橋亨梧と旗手怜央を70分に送り出した。

 このタイミングで前田は下がることになり、終盤はベンチから戦況を見守ったが、日本は最後の最後まで強固なブロックを攻略しきれない。最終的にスコアレスドローに終わり、W杯優勝に向けて幸先のいいスタートを切ることはできなかった。

「我々がこれから積み上げていく時に、大然の1トップでより相手にプレッシャーをかけながらタテに速い攻撃を仕掛ける形で、今日も得点を奪えるチャンスはできていた。彼の起用の仕方と周りとの連係・連動はいいオプションになるかなと思います。

 相手のレベルが高くなった時にはスピードのある攻撃、タテに速い攻撃が必要になってくる。今日の彼は自分のよさを出しながら戦いの流れを作ってくれたと思います」

 このように指揮官は前田の存在意義を改めて評価したが、本人としてはゴールを奪えなかったことを重く受け止めているはず。目に見える結果を残さない限り、1トップでファーストチョイスになる道は難しくなるのだ。

 所属先で左サイドを主戦場としている分、最前線での感覚に磨きをかけていくのは簡単ではないし、本人も「チームでは左でずっと出ているので、僕自身もそっちにフォーカスしちゃっているところはある」とも語っている。

 ただ、どの位置でプレーしていても、決定力の部分をブラッシュアップすることは可能だ。ここからの1年3か月で彼はその命題と真摯に向き合い、少しでも代表チーム内での序列を引き上げていくしかない。

「前も左もシャドウもできるマルチ型」という強みを生かしながら、“前田大然だけができること”を突き詰めていくことで、次のW杯では日本を勝たせられる存在へと飛躍できれば理想的。

 そうなるように、今回の悔しいドローを糧にして、今季終盤のクラブでの戦いに集中するべきだ。彼にはまだまだ成長の余地がある。そこに期待して、今後の動向を見守っていきたいものである。

(取材・文:元川悦子)

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