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コラム 2か月前

ジャンルイジ・ドンナルンマにはまだ早い? 正真正銘、世界一のGKになるためには。 CL優勝、もう一つは…【コラム】

シリーズ:コラム text by 佐藤徳和 photo by Getty Images

「『このチャンスを逃すわけにはいかない』」

「地元に戻ると、ミランがより具体的なオファーを提示してきた。ミーノ・ライオラ代理人の従兄弟であるエンツォが、当時のミランの代表取締役、アドリアーノ・ガッリアーニに『このチャンスを逃すわけにはいかない』と伝えたことが決め手となった」

 こうしてミランがインテルからドンナルンマを“強奪”することとなったのだ。実は、木工職人である父アルフォンソは、ミランに親しみを感じていた。そのため、息子をネラッズーリではなくロッソネーリに送り込むことに満足を覚えていた。

 かくして、ジャンルイジは、5年前にミラン移籍を成就させていた兄のアントニオと同じ道を歩むこととなる。

 だが、すでにレンタル移籍を繰り返し、ジェノアに放出されていたアントニオとは異なり、15歳と11カ月の若さでトップチームのベンチ入りを実現。2015年10月25日のサッスオーロ戦でセリエAデビューを果たす。

 16歳と8カ月の若さで、2022年に国際サッカー歴史統計連盟(IFFHS)によって、それまでの35年間で世界で最も優れたGKに選出されたジャンルイジ・ブッフォン(17歳でデビュー)を上回る早さだった。

 1メートル90センチを超えるフィジカルやテクニックのクオリティーは、すでにセリエAの標準的なGKよりも優れたもので、何よりもミスにも全く動じない、メンタルの強さが印象的だった。

 ミランでは、ユヴェントスでその地位を築いたブッフォンのように、象徴的な存在となり得るものと期待されていた。だが、2021年夏に別れの時を迎える。

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