真の世界一のGKになるために必要なもの
ドンナルンマについては、足元の技術に課題があり、ハイボールの対応にも不安があると、批判されてきた。リヴァプールとのファーストレグのあとには、フランスの『レキップ』紙に、「違いを生み出すことのできないGK」と揶揄された。
しかし、PSGのルイス・エンリケ監督は、ドンナルンマのパフォーマンスを擁護。信頼を寄せていることを常に強調してきた。死闘を繰り広げたリヴァプール戦のあとには、イタリア代表GKを称賛した。
「ファーストレグはアリソンの試合だったが、今日は“ドンナルンマ様”の試合だった。彼は試合を通して、ただただ素晴らしく、チームに特別な貢献をしてくれた」
現在の世界ナンバーワンGKとの呼び声が高いアリソンとの勝負に打ち勝ったことも大きい。欧州選手権のパフォーマンスが再びクローズアップされる形となった。
そして、ブッフォンは、ドンナルンマが現在の世界一のGKであると断言する。
「今のところ、彼が世界で一番のGKだ。彼より上を探すのは難しい。もちろん良い時もあれば悪い時もあるが、私は彼をティボ・クルトワ、マヌエル・ノイアー、マルク=アンドレ・テア・シュテーゲンよりも上位に置く」
同胞の後輩GKを世界一に推すこのコメントにはもちろん賛否両論があるだろう。しかし、そういった批判を封じ込めるには、花の都、パリに“ビッグイヤー”をもたらすしかない。
3月23日のUEFAネイションズリーグ(NL)準々決勝セカンドレグのドイツ戦では、不注意から、あり得ないような失点も喫している。これまで何度も主審の判定に不満を抱き、詰め寄るシーンがしばしば見受けられる。ドイツ戦の信じがたい失点も、このように主審の判定に異議を唱えていた中でのものだった。こういった姿勢を正せば、ブッフォンの言葉のとおり、真の世界一のGKになれる可能性は高い。
ドンナルンマの去就を巡っては、2026年6月30日でPSGとの契約が切れることもあって、今夏のメルカートでの、インテルへの移籍の噂も報じられている。これからCLがベスト8の佳境に入り、6月にはFIFAクラブワールドカップ(CWC)も控える。この2つのコンペティションでのパフォーマンスが、去就に影響を及ぼすことは間違いないはずだ。
(文:佐藤徳和)
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