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コラム 8か月前

ボローニャが“弱体化”を免れた理由。イタリアーノ監督がもたらした「戦術的な特長」とは。前監督と「似ている部分」【コラム】

シリーズ:コラム text by 佐藤徳和 photo by Getty Images

忘れてはならない2人の男。ボローニャ躍進の影の立役者

「ウイングの選手たちは、私が常に言い続けてきたことを見事に体現してくれた。『君たちはただのサイドの選手ではなく、FWであるべきだ』と言ってきたことを」

 ベンハミン・ドミンゲスの台頭やニコロー・カンビアーギの復帰もあり、ボローニャは、サイドアタッカーだけで今季23ゴールも決めている。ボローニャにおける攻撃の要が、サイドにあることは数字の上でも明確だ。

 ボローニャの幹部が、あらゆる観点からイタリアーノがモッタに替わるこれ以上ない後任と睨み、招き入れたことは間違いない。実績や名だけの監督を招へいするクラブとは明らかにビジョンが異なる。ボローニャの2年連続の躍進は、一時代を築いたキエーヴォ・ヴェローナや近年のアタランタのそれを見ているかのような錯覚に陥る。

 キエーヴォ、アタランタ、ボローニャには共通した存在がいる。疾風を巻き起こしたこの3つのクラブには、ジョヴァンニ・サルトーリ(現ボローニャのテクニカル部門責任者)がクラブに名を連ねているのだ。68歳のサルトーリの存在なくして、ボローニャの快進撃はなかった。

 実はミランとローマが、この魔術師のような人物の引き抜きを画策していた。しかし、ボローニャは2027年6月30日までの契約更新を締結。チームの将来設計を担う重要人物をつなぎとめることに成功した。

 そして、もう一人、忘れてはならない男がいる。このクラブを熟知するマルコ・ディ・ヴァイオだ。現役時代には08/09シーズンから4年間に渡りプレー。引退後は、2015年からクラブマネジャーとして従事し、スカウトのトップを務めたのち、2022年からスポーツマネージャーを担う。10年以上に渡り、クラブとの関係を築き挙げてきた貴重な人物だ。

 イタリアーノ、サルトーリ、ディ・ヴァイオ。三位一体となったクラブは、これからもサプライズを与え続けることになるはずだ。

(文:佐藤徳和)

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