サウジアラビアを離れた成功例
高額な年俸を支払うことができるクラブからすると、即戦力として期待できる“脱サウジ組”は重要な補強ターゲットとなり得る。
現時点で最も有効活用することができているのは、ジョゼ・モウリーニョ監督が率いるトルコの強豪フェネルバフチェだろう。
昨夏にアル・アハリからローン移籍で加入したアラン・サン=マクシマンは、左WGのレギュラーに定着。ボールを奪ってから縦に速いチームにおいて、切れ味鋭いドリブルは有効的で、カウンターの局面で重要な役割を担っている。今年1月には、クヴィチャ・クワラツヘリアが退団したナポリも獲得に興味を示していた。
サン=マクシマン以上にインパクトを残しているのが、今冬にジョン・デュランに押し出される形でアル・ナスルを退団した元ブラジル代表MFタリスカである。
31歳のベテランアタッカーは、リーグ戦12試合で9ゴールを記録。直近の6試合で8ゴールと大暴れしており、2017/18シーズン以来となる欧州の舞台でも、クオリティの高さを見せつけている。フリー移籍であったことも踏まえると、今季のベスト補強と言えるかもしれない。
2024年夏、元ブラジル代表DFアレックス・テレスは、外資となってから大型補強を続けているボタフォゴにアル・ナスルからフリーで移籍。かつてポルトやマンチェスター・ユナイテッドでプレーした攻撃的SBは、2024年のコパ・リベルタドーレス決勝でゴールを記録して優勝の立役者に。今夏に行われるFIFAクラブワールドカップ出場にも導いた。
このようにサウジアラビアのクラブを離れてから新天地で大活躍している例は多い。今夏以降もこの流れが続くと予想される。