サウジアラビアを離れる可能性のある選手の共通点は…
2023年夏にアル・ヒラル、アル・ナスル、アル・アハリ、アル・イテハドの4クラブがサウジアラビアの政府系ファンド「PIF」の傘下に入ったことで、大物選手の獲得が一気に進んだのだが、直近の2年間だけでも獲得する選手の方向性が大きく変わっている。
最大の変化が、リーグ全体で持続性を意識するようになったこと。2023年夏の移籍市場では、カリム・ベンゼマやネイマール、サディオ・マネ、フィルミーノ、マフレズ、セルゲイ・ミリンコビッチ=サビッチ、アイメリク・ラポルテ、マルセロ・ブロゾビッチら、20代後半から30代にかけての選手がターゲットのほとんどだった。
このネームバリュー中心の補強方針が2024/25シーズンからは変化。ローマからアル・イテファクに移籍したジョアン・コスタやコリンチャンスからアル・ナスルに移籍したウェズレイのような、知名度は高くないものの、将来性を重視した20歳前後の若手たちを獲得する例が急増した。
その中でも顕著なのが、クリスティアーノ・ロナウドが所属していることで知られるアル・ナスルだろう。彼らは今シーズンに5人の外国籍選手を獲得している。その平均年齢は21.6歳。その前シーズンが29.7歳だったことを踏まえると、大きく補強方針が変わっていることがわかる。
彼らと入れ替わる形でサウジアラビアを離れたのは、先述したタリスカやアレックス・テレスを筆頭に、20代後半から30代にかけてのベテランが多数。今季から10枠ある外国籍枠のうち、2枠を2003年以降生まれの若手選手に限定するなど、リーグ全体で若返りを図っており、フィルミーノとアリオスキが登録メンバーから外れたのも、この変化の煽りを受けてのことだ。
今月6日にはフランス『RMCスポーツ』がラポルテのマルセイユ移籍の可能性を報じるなど、今夏以降もベテランがサウジアラビアを離れる傾向が続きそうだ。