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コラム 7か月前

小杉啓太は「長い間求めているタイプ」。アタランタへの移籍を躊躇するべきではない。懸念点があるとすれば?【コラム】

シリーズ:コラム text by 佐藤徳和 photo by Getty Images

移籍する上での唯一の「懸念材料」とは?

 しかしアタランタは従来、掘り出し物を発掘し、高値となったタイミングで売却して経営を成り立ててきたクラブだ。スカウト部門の目利きの良さには定評がある。現在、アタランタは、育成部門も含め、9人ものスカウトを抱えている。この規模のクラブでは、異例の数だ。

 そのトップに立つのが、ダリオ・ロッシ。かつて、アタランタやラツィオ、パレルモなどを指揮したデリオ・ロッシを父に持つ。ローマやミラン、ボローニャで経験を積み、2024年7月にアタランタのスカウト部門のディレクターに就任した。

小杉が仮にアタランタに引き抜かれることとなれば、このクラブの初めての日本人プレーヤーとなる。アタランタには、現在一人のスウェーデン人プレーヤーが所属している。26歳のイサク・ヒエンだ。3バックのセンターを務める守備の要だ。

 昨年夏に、ヴェローナから推定900万ユーロ(約14.4億円)で獲得しているが、現在の市場価値はすでに3000万ユーロを越えると推測されている。ヴェローナでプレーする前には、1年半にわたって、小杉が所属するユールゴーデンでプレーした経験を持つ。

 小杉にとって唯一懸念される材料は、指揮官のガスペリーニの去就だ。シーズン中に今季限りでの退任をほのめかすなど、退団も噂されている。契約は2025年6月30日までとなっており、更新はまだされていない。

 ここにきてローマからの関心も再び高まっており、来季も引き続き、チームを指揮するのか否か、現段階では不透明だ。今季は、スクデット獲得への野心を感じさせるコメントも残していたが、その夢は儚くも消え去った。この悔しさを晴らすために、再び契約を更新する可能性もあると見られるが、それは憶測でしかない。

 セルティックからレンヌに移籍した直後に指揮官が解任され、新天地でほとんど起用されない古橋亨梧の例もある。それだけに、クラブだけでなく指揮官の去就をしっかりと見極めたうえで、移籍先を慎重に選ぶべきだろう。

(文:佐藤徳和)

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