まさに本末転倒。日独で真逆のプレー態度

　ダウンズのプレーに話を戻しましょう。日本ではよくシュート前のボールの置きどころが大事だと強調されます。確かにそのとおりです。ドイツでもこのタッチが良ければ、余裕をもってスムーズにシュートまでもっていけます。

　ただし、ゴールが決まるか決まらないかは別です。問題は試合中でも、シュート練習でも、タッチが悪いと焦ってしまい慌ててシュートしてしまうことです。それは往々にしてシュートミス、またはその後のプレーのミスにつながります。

　ダウンズのプレー態度とは真逆です。これは手段（ボールの置きどころ）が目的になることで、過程の偏重がメンタルに影響を与えてしまう、まさに本末転倒です。サッカーは結果のスポーツです（「Fussball ist ein Ergebnissport」＝フースバル・イスト・アイン・エアゲーブニスシュポルト)。このことを深く理解したうえで、シュート前のタッチの重要性を語るべきです。

　選手も指導者もサッカーは攻守においてボックス内の勝負という前提を再認識し、その逆算からプレー、指導をしてほしいと思います。そのための「BoS理論」です。

（文：河岸貴）

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