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日本人選手がドイツなどのトップリーグで目覚ましい活躍を見せる一方、Jリーグなど日本国内リーグで行われているサッカーとドイツのそれには、まだ大きな隔たりがある。ドイツサッカーの根本にある「BoS理論」を知り尽くす筆者が、攻撃(ボール保持)におけるロジックを語りつくす連載をスタートさせる。(文:河岸貴)
著者プロフィール:河岸貴
1976年7月25日生まれ、石川県出身。金沢大学卒業、同大学大学院修了。ドイツ・シュトゥットガルト在住。ドイツサッカー協会B級指導者ライセンス、日本サッカー協会A級指導者ライセンスを保持。 高校の講師を経て2004年にプロサッカー選手を目指し単身ドイツへ 。2006年には指導者の勉強のためブンデスリーガのシュトゥットガルトのアカデミーの門を叩き、2009年から正式な指導者となる。2011年1月に岡崎慎司のシュトゥットガルト移籍と同時にトップチームに昇格。2012年には酒井高徳も加わる。2013年8月まで監督とコーチをサポート、スカウトと日本プロジェクトのコーディネーターを歴任し、2015年6月に退団。その後サッカーコンサルティング会社「KIOT CONNECTIONS GbR」を設立した。2023年11月に『サッカーBoS理論 ボールを中心に考え、ゴールを奪う方法』を上梓。
ドイツサッカーの根本にある「BoS理論」。「ボール保持編」の連載スタート
『サッカーBoS理論 ボールを中心に考え、ゴールを奪う方法』(ボール非保持時編)を上梓してから1年以上が経ちます。ありがたいことに「間を空けずにボール保持時編を」とカンゼンからお話をいただき、早速取り掛かろうと思っていました。
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しかし全力投球した「ボール非保持時編」から少しバーンアウト気味で、頭の中には構想はあるものの、なかなかペンを取れない日々が続きました。だからといって、この1年間は何もしなかったわけではなく、相変わらずサッカー中心の生活で、ドイツと日本を行き来していました。
その1年で感じたことを再び書き綴り、個人的には「ボール非保持時編」よりも書きたかった「ボール保持時編」を提示していきたいと思います。
2024年、ボール保持時について書かなかければいけないなと思った出来事がいくつかありました。そのひとつが将来が嘱望される日本人の若手DFがドイツ・ブンデスリーガ3部のクラブで練習参加した話です。そのクラブの幹部と日本人選手について意見交換した際の話が印象的でした。
これまで、または現在進行形でヨーロッパで活躍している日本人選手は、その能力に疑いの余地がなく、さらにメンタリティーも兼ね備え、日本人選手はいまなお魅力的であると言います。逆に、代表など国際舞台でのプレーが乏しい日本人選手の評価は難しい、ということです。
選手紹介で送られてくる映像がJリーグのみのプレーだと、ゲームのインテンシティがドイツのサッカーと大きな差があるため判断ができない、ドイツに来たらおそらくこちらのサッカーにも適応できるだろうと思うが、なかなか手が出ない、と。日本から直接ブンデスリーガのクラブに移籍するのは、ますます厳しくなっているように思います。