PSGはインテルの武器をどう消したのか?
2つ目は、ハイプレス時の連動だ。
インテルは、主に2トップにボールを預けてからのレイオフによって前進を図る。そのため、対戦相手はただ前から追うだけでは簡単にロングボールを2トップに供給されてしまい、素早い速攻を食らうことになる。バルセロナはまさにその形から決定機を作られた。
しかし、PSGは①バックパスを起点とした全体の押し上げ・二度追い②アンカーのマンマーク③中盤のプレスバックという3つの規則に従い、特に前半、ボールを回収し続け、敵陣での保持の時間を増やした。
そして3つ目は、崩し時の連動だ。PSGのボール保持時の配置は、とにかく中盤の流動性が高いのが特徴。まず1枚(主にヴィティーニャ)が最終ラインに落ちて保持を安定させ、1枚(主にMFジョアン・ネベス)がアンカーポジションをとり、もう1枚(主にMFファビアン・ルイス)が高い位置で相手の最終ラインと駆け引きしたり、サイドのサポートに入ったりする。
サイドの内外関係は、ウイング(左クヴァラツヘリア、右ドゥエ)が大外、サイドバック(左DFヌーノ・メンデス、右ハキミ)が内側で、3-1-6や4-1-5に変形。デンベレや、インサイドハーフとサイドバックのいずれかが内側でタイミング良く手前を取ったり、逆にチャンネルランを仕掛けて奥を取りにいったり、内側の選手は、インテル守備陣が捕まえづらいポジショニングとリポジをしつこく繰り返した。