「自分は本当にどこでもいい」
「18歳の段階で勝負するポジションを決める必要はないと思ってますし、自分は本当にどこでもいい。(WBの)右でも左でもいいくらいなので、こだわりはないですね。
代表にはすごい選手がいっぱいいますし、自分が成長するチャンス。試合に出て活躍することをイメージしながら取り組んでいきます」と本人は代表合流前にギラギラ感を前面に押し出していた。
場合によってはWBに抜擢されることもないとは言えない。あらゆる可能性を自分なりにイメージして、チャンスを与えられた場合には柔軟性と適応力、大胆さを押し出していくべき。今の佐藤ならピッチに立てば何か違いを見せてくれるはずだ。
ただ、首尾よく初キャップを飾れたとしても、そのまま代表定着というのは非常に難易度が高い。あの久保でさえ、2022年カタールW杯最終予選ではケガもあってメンバーから外れているし、2022年W杯本大会では絶対的主軸になれなかった。過去の10代デビューの逸材を思い返しても、小野伸二、内田篤人、冨安健洋はいずれもケガや体調不良に苦しみ、代表とクラブでのフル稼働は叶っていないのだ。
10代で異彩を放っていても、順調に伸びていった選手は極めて少ない。だからこそ、佐藤は今、しっかりと足場を固めることが重要だ。日本代表の基準を体感し、つねにそのレベルを思い描きながら、クラブや年代別代表でプレーすること。そこで実績を積み重ねていくことで、近い将来の代表定着も見えてくるのではないか。
その作業が1年後の2026年W杯に間に合えばベストだが、果たしてどうなるのか。まずフォーカスすべきはインドネシア戦だ。この試合でベンチ入りし、ピッチに立つことができるのか。非凡なポテンシャルを秘めた佐藤の一挙手一投足を注視しつつ、森保監督のマネージメントを見極めていきたいものである。
(取材・文:元川悦子)
【関連記事】
英国人が見たオーストラリア戦「久保建英は…」「何かちょっと…」「サウジは怒っているかも」
サッカー日本代表、オーストラリア戦の全選手パフォーマンス査定
【一覧表】FIFAワールドカップ2026 出場決定国一覧
【了】