今活かされる少年時代の教え「小さなころから…」
「けっこう飛べるので、(高さは)それなりに大丈夫だと思っているんですけど。そういうのも含めて、上の舞台で通用するのかどうかがわかるきっかけにもなりますし、出せるものを全部出してぶつけていきたい。あとは駆け引きであるとか、球際の守備は本当に負ける気がしないので、そういう前向きなところでガツンといきたいと思います。それにプラスアルファして自分の武器を出せたら、さらに上にいけると思う」
鈴木が言う自分の武器とは、左右の両足から放たれる精度の高い縦パスであり、奪ったボールを前へ持ち運んで攻撃の起点になるプレーであり、ボランチ時代に培った視野の広さとなる。
「小さなころから、所属していたチームのコーチに『右左両足で蹴るように』と言われていました。そのおかげというか、(左足でも)やっておいてよかった、という感じですね」
右利きながら左足も遜色なく駆使できる理由を明かした鈴木は、最終ラインから積極果敢にボールを前へ持ち運ぶプレーに「代表では、まだそういう場面がないんですけど」と断りを入れながらこう続けた。
「代表には自分よりうまい選手たちが前線にいるし、そういう人たちに預けたほうがいい場面もあるので。本当に危ないところはちゃんとかわしながら、セーフティーにやっていきたいと思います」
プレースタイルや複数のポジションでプレーできるユーティリティーぶり、さらに決して大柄ではないサイズは森保ジャパンのキャプテン、MF遠藤航が湘南に在籍した当時に相通じるものがある。当時の遠藤は自分の可能性を広げるためにも、ポジションを限定しないと語っていた。くしくも鈴木も同じ言葉を残した。