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Jリーグ 3週間前

少年時代の教えがいま活かされる。湘南ベルマーレの控えだった鈴木淳之介をサッカー日本代表へと導いた転換点【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

今活かされる少年時代の教え「小さなころから…」

「けっこう飛べるので、(高さは)それなりに大丈夫だと思っているんですけど。そういうのも含めて、上の舞台で通用するのかどうかがわかるきっかけにもなりますし、出せるものを全部出してぶつけていきたい。あとは駆け引きであるとか、球際の守備は本当に負ける気がしないので、そういう前向きなところでガツンといきたいと思います。それにプラスアルファして自分の武器を出せたら、さらに上にいけると思う」

 鈴木が言う自分の武器とは、左右の両足から放たれる精度の高い縦パスであり、奪ったボールを前へ持ち運んで攻撃の起点になるプレーであり、ボランチ時代に培った視野の広さとなる。

「小さなころから、所属していたチームのコーチに『右左両足で蹴るように』と言われていました。そのおかげというか、(左足でも)やっておいてよかった、という感じですね」

 右利きながら左足も遜色なく駆使できる理由を明かした鈴木は、最終ラインから積極果敢にボールを前へ持ち運ぶプレーに「代表では、まだそういう場面がないんですけど」と断りを入れながらこう続けた。

「代表には自分よりうまい選手たちが前線にいるし、そういう人たちに預けたほうがいい場面もあるので。本当に危ないところはちゃんとかわしながら、セーフティーにやっていきたいと思います」

 プレースタイルや複数のポジションでプレーできるユーティリティーぶり、さらに決して大柄ではないサイズは森保ジャパンのキャプテン、MF遠藤航が湘南に在籍した当時に相通じるものがある。当時の遠藤は自分の可能性を広げるためにも、ポジションを限定しないと語っていた。くしくも鈴木も同じ言葉を残した。

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