ライン間侵入で5バックを攻略
5-4-1のローブロックをどう崩して得点するか。この課題をクリアするためには5バックの手前のスペースへの侵入がポイントになる。
日本代表が得意とするサイド攻撃は、5バックで素早くスライドされるとウイングのドリブルによる仕掛けがやりにくい。5バックなのでポケットも簡単にはとれない。サイドチェンジで揺さぶっても、スライドで対応されれば状況はさして変わらない。
そのかわり5バックの手前に侵入できれば、5人のDFはほぼ横並びなので4枚でも5枚でもさして状況は変わらない。5バックはサイド攻撃を仕掛けるには難しいが、中央ならDFの人数は問題にならないのだ。
ただし、相手の「5」と「4」の間のスペースは狭い。一方で「1」の左右はがら空きである。つまり、まず「1」の脇に進出して、「4」を手前に引っ張り出せば、バイタルエリアにスペースを作ることができる。
インドネシア代表戦では、攻撃の起点作りがスムーズだった。オーストラリア代表戦でもやってはいたのだが、バイタルで受ける選手とのタイミングが合わない、あるいはそもそもそこに人が来ていないという問題があった。
今回は久保、鎌田が揃っていて、さらに佐野海舟がバイタルの受け手として機能していた。3分、早くも佐野海舟が左のハーフスペースから右へ移動して縦パスを収め、久保につないで攻め込んでいる。前半アディショナルタイムの3点目は佐野海舟→久保とつないで最後は鎌田がペナルティエリアでDFを手玉にとってゴール。後半の5点目も佐野海舟の侵入から久保、町野修斗とつないでのゴールだった。