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コラム 2週間前

サッカー日本代表、町野修斗は味方から見ても「変わったと思う」。不遇を乗り越えエース候補へ。本当の意味での再出発【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

「ここからしかない」危機感を背負いながら先発のピッチへ

 本人も「次のW杯に行かなければ意味がない」と真剣に考え、同年夏に当時ドイツ・ブンデスリーガ2部だったホルシュタイン・キールへ移籍。1年で1部昇格を果たし、今季は初参戦の欧州5大リーグで着々と数字を重ねていた。しかしながら、最終予選突入後もなかなか呼ばれず、苛立ちを募らせていたに違いない。

 
 湘南ベルマーレ時代の盟友・大橋祐紀の負傷もあって、ようやく再招集されたのが今年3月のこと。W杯行きを決めたバーレーン代表戦でラスト数分間ピッチに立つことができたが、「僕に関しては、ここからしかない。また頑張っていきたいです」と危機感を吐露していた。

 代表でピッチに立つ機会はそう簡単には巡ってこない。厳しい現実を誰よりも痛感している男が久しぶりの先発1トップのチャンスを得たのだから、明確な結果を出さないわけにはいかない…。この日の町野は特別な気迫や闘志を前面に押し出していったのだ。

 序盤から日本が主導権を握ったこともあり、背番号18はしっかりと前線でボールをキープ。体を張って収め、攻撃の潤滑油としてプレーした。そのうえで、三戸、森下という左右のウイングバック(WB)からのクロスに積極的に合わせていく。

「最後のペナリティエリアでのフィニッシュは自信もありますし、しっかり試合で決めたい」と7日の練習時にも力を込めていたが、今の町野からは2年前には感じられなかった力強さと逞しさが見て取れた。

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