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コラム 2週間前

サッカー日本代表、町野修斗は味方から見ても「変わったと思う」。不遇を乗り越えエース候補へ。本当の意味での再出発【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

「町野修斗は変わったと思う」

「町野は変わったと思います。欧州に行って収め方だったり、体の当て方だったり。それは町野とも個人的に話しているので」とシャドウに入ったドイツ経験者の先輩・鎌田も太鼓判を押していたが、「町野に預けておけば大丈夫」といった風格は確かに感じられた。

 
 そのうえで、得点に関与する仕事を具現化していく。最初の見せ場は開始15分。三戸と左サイドでワンツーをしながら中央に入ってきた鎌田が見事な先制弾を叩き出したが、その際、町野がニアでDFを引きつけ、スペースを空けていた。これは目に見える数字にはならなかったが、いい感触は得たはずだ。

 4分後に生まれた久保の2点目のシーンはアシストを記録する。ショートコーナーキック(CK)から背番号10が持ち込んでシュート性のクロスを入れ、GKが弾いたこぼれ球を町野が拾って久保へ。そのまま右足弾が決まったのだ。狭く厳しい局面での鋭い反応もドイツで磨き上げたストロングなのだろう。

「毎試合、成長を感じています」と本人も目を輝かせたが、キールで積み重ねた2年間で彼は着実にスケールアップしたのだ。

 鎌田がゴールを加え、3点リードで迎えた後半。町野はさらにギアを上げていく。55分に浮き球のクロスで森下の4点目をおぜん立てすると、その3分後には町野自身がゴールという待ち望んでいた結果を残すことに成功する。

 その5点目は佐野海舟がタテにドリブルで前進したプレーが発端だった。いったんDFに当たり、久保が拾った瞬間、町野は巧みに背後に抜け出し、左足を一閃。2022年7月のE-1選手権・韓国代表戦以来の代表ゴールを叩き出したのである。

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