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日本代表 6か月前

欲はある。でも背伸びはしない。三戸舜介はオランダで変わる。サッカー日本代表デビュー戦後に残した意外な言葉【コラム】

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

「オランダに行って…」三戸舜介は少し変わった

「向こう(オランダ)行って中でプレーすることあんまりなくなったんですけど、逆に外に張っての上下っていうところは、日本にいる時よりもやっぱり増えました。運動量っていうところは(スパルタ・ロッテルダムの)監督に言われてるので、そこは求められています」

 U-23日本代表では中盤で多くボールに関わることが求められ、「元々ボランチの選手なので、ボールに関わることは嫌じゃないし、自由に動けて楽ですね」と話していた。

 その時から比べると、プレースタイルは少し変わった。小気味良いボールタッチで内側でも外側でもプレーできる万能アタッカーは、タッチライン際でのアップダウンを繰り返すウインガーとして進化していた。

 そんな日々の積み重ねが、思いがけない形で実を結ぶ。森保ジャパンの6月シリーズでA代表初選出となった。

 オランダでウイングとして評価されていることが今回の代表選出につながったと言える。スパルタ・ロッテルダムでウイングとして担うタスクは、日本代表におけるウイングバックのそれと重なる部分も多い。

「(日本代表で)ウイングバックとして使われたときは、上下動があると思う。そういうところは向こうでやってる分、こっちでも何かできることあるんじゃないかな」

 代表デビュー戦とは思えないほど、三戸はチームに溶け込めていた。開始3分には久保建英からパスを受けて決定機を作り出し、前述の通り先制点をアシスト。28分には町野修斗の落としから佐野海舟がダイレクトでスルーパス。これに反応した三戸がシュートまで持ち込んでいる。

 オーストラリア代表戦で平河悠がシュートを2本放つと宣言して有言実行したことを聞くと、三戸も「じゃあ自分もシュート2本打ちたいです」と言って実際にそれを達成している。

 この試合ではあまり守備面でフォーカスされる場面が多くなかったが、開始6分には日本代表の左サイドを突破されそうなところで、三戸がスプリントでプレスバックしてボールを奪っている。三戸が試合前に言っていたように、オランダでやっていることと、日本代表で求められていることがつながった瞬間だった。

 ただ、試合後の三戸の口から出た言葉は、意外なものだった。

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