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コラム 6か月前

「ちょっと冷酷になって」森下龍矢は思考回路を変えた。サッカー日本代表で見せた成長の証「この繰り返しが…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

「崖っぷちに立たされた環境が、自分を成長させてくれた」

「僕も期限付き移籍でいっていたので、ここで結果を残さないと日本に帰らなきゃいけなくなる。そういった切迫感というか、崖っぷちに立たされた環境が、自分を成長させてくれたと思っています」

 
 迎えた2024/25シーズン。主軸の故障離脱などもあり、中盤で起用された森下は得点に絡みはじめる。チームに必要不可欠な選手として、昨年末には完全移籍へ移行。シーズン後半は本来のサイドとしても起用され、最終的に公式戦51試合に出場して14ゴール14アシストと堂々たる結果を残した。

 6月シリーズでの代表復帰にもつなげた数字は、思考回路の変化に導かれたものだと森下は明かす。

「もう点です。とにかく点。点とアシスト。それこそ今日はいいプレーしたとか、今日はちょっとよくなかったとか、そういった主観的な評価じゃなくて、自分自身に対してちょっと冷酷になって、何点取ったのか、いくつアシストをしたのかといった、客観的な数字にとことんこだわってプレーしてきました」

 自分をより深く理解してもらうためには、コミュニケーションを密にする作業が欠かせない。ピッチを離れたところで英語の猛勉強を積み重ねながら、たとえ理解度20%でも身振り手振りで伝え続けた。

「英語を話せるのと話せないのとでは、全然違いますからね。文句ひとつ言うにも英語をしゃべれないと無理だし、文句を言わない選手はちょっとなめられるんですよ。だから、自分の意見をしっかり伝えて、何でこうしてくれないんだと提案する。この繰り返しが、自分に自信を与えてくれた感があります」

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