9位:山口素弘(やまぐち・もとひろ)

【写真:Getty Images】
生年月日:1969年1月29日
E-1出場:1995, 1998
E-1通算成績:5試合1ゴール0アシスト
E1出場時間:468分
山口素弘は、東アジアサッカー選手権(現E-1選手権)の前身であるダイナスティカップにおいて、日本代表の中盤を支える存在として1995年、1998年大会に出場した。
1995年大会では全試合フル出場し、2大会合計468分間ピッチに立った。長年にわたり日本代表の中盤を支えた名ボランチであり、この大会でもその経験と読みの鋭さを遺憾なく発揮した。
試合では常に冷静なプレーぶりでチームの舵取り役を担い、攻守両面でバランスの取れたパフォーマンスを見せた。彼のプレースタイルは華やかさよりも堅実さが際立ち、相手の攻撃の芽を摘む守備、的確なパス配球でリズムを作る能力に優れていた。中盤の底で試合の流れをコントロールし、周囲に安心感を与える安定したパフォーマンスは、当時の代表にとって非常に貴重だった。
特に優勝した1995年大会では、試合間隔が中1日と厳しい日程にも関わらず全試合90分フルで走り切り、決勝では延長戦まで出場し、替えの効かない選手として高く評価された。
山口のキャリアを通じて象徴的だったのは、チームのために黒子的な役割をいとわず、常に勝利のために自らを律する姿勢だ。E-1ではその美徳が存分に発揮され、彼がピッチに立つだけでチーム全体が引き締まった。
日本代表の歴史に名を刻むミッドフィルダーとして、山口素弘のこの大会での姿もまた、語り継がれるにふさわしいものである。