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コラム 1か月前

佐藤龍之介は言う「急激に成長したわけではない」と。大きな決断の先に待っていた日本代表。そしてW杯へ【E-1選手権コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

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 東アジアE-1サッカー選手権2025決勝大会・韓国の第3戦、韓国代表に1-0で勝利し、大会2連覇を成し遂げたサッカー日本代表。その勝利の裏で佐藤龍之介が示した躍動感は、環境を変えた覚悟の証だった。FC東京で苦しみ、ファジアーノ岡山で掴んだ自信を、堂々とピッチで証明してみせた。(取材・文:元川悦子【韓国】)

互角の前半から、防戦一方となった後半

サッカー日本代表の佐藤龍之介
【写真:田中伸弥】

 7月8日のホンコン・チャイナ代表戦を6−1、12日の中国代表戦を2−0と連勝したサッカー日本代表は、15日に東アジアE-1サッカー選手権2025決勝大会 韓国の最終決戦・韓国代表戦を迎えた。

「試合を重ねるごとに、国内組という新たなメンバーで、団結力やチームとしての力が大きくなっているのをすごい感じる。あとは優勝を最後に勝ち取って帰れればいい」とキャプテンマークを巻いた相馬勇紀も力を込めていたが、この日の日本は勝利への凄まじい意欲と闘争心を前面に押し出した。

 E-1開幕後、初めて2万人近い観衆が集まり、アウェイムードも強まる中、開始8分にジャーメイン良が相馬とのホットラインから大会5ゴール目となる先制弾を左足で豪快にゲット。幸先のいいスタートを切ったのである。

 しかしながら、早すぎるリードは往々にして相手を勢いづかせる。前半こそ、ボール支配率は50%対50%、シュート数は韓国代表の4本に対し、日本代表が3本と数字的にもほぼ互角の内容だったが、後半に入ると相手の攻撃が加速。日本は一方的に攻め込まれるようになる。

「マイボールにする時間をどれだけ作れるかってところは、前半から意識はしてました。相手もビハインドになって強度が上がってくる中で、なかなか自分たちがボールを保持しながら攻める展開を作れなかった」と3バック左に陣取った古賀太陽も防戦一方の中、耐え忍ぶことで精一杯になった反省を口にしていた。

 後半開始15分間の韓国代表の怒涛の攻めを必死にしのいだタイミングで、森保一監督は2人の交代要員を呼び、63分に投入する。1人は細谷真大、もう1人は18歳・佐藤龍之介だった。

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