9年ぶりのタイトル獲得へ向けて求められること
「新潟戦も今日もオニさんはそんな繋ぎにこだわってないって言うか、シーズンも佳境になってきたんで、結果を強く求めるようになってきたと感じます。
だからこそ、個人としては、チームの理想に縛られず、持ち味をどんどん出して、チームに貢献することが一番。今日みたいな相手にもうちょっとコンパクトにして、自分がセカンドボールを拾っていかないと、チームに貢献できないと思う。そこは周りともうまく連係しながら、やっていきたいです」
背番号13も自らのやるべきことを明確にした様子。残るJ1の11試合を見ると、得意なホームゲームが5試合と少ないものの、上位との対戦は浦和レッズ、ヴィッセル神戸、京都サンガF.C.だけ。
町田のような強度を前面に押し出すチームは少ないだけに、鹿島としてはJ1の頂点に立てるチャンスは十分にある。それを生かすか殺すかは自分たち次第だ。
「相手が想定通りに来なかった時、『相手がこう来てるからこうしよう』という臨機応変さが足りなすぎる。強い時の川崎はそうやっていた」と鈴木優磨も語気を強めたが、敵の出方を見ながら駆け引きしたり、判断を変えたりすることを、知念は川崎時代に体得しているはず。その経験値を今こそ率先して前面に出さなければならないのだ。
いずれにしても、鹿島が9年ぶりの国内タイトルをつかもうと思うなら、知念を筆頭に全員が「自らアクションを起こす」という姿勢をより鮮明にしなければいけない。
今こそ真価が問われる時である。
(取材・文:元川悦子)
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