「『選ばれるわけがない』と思われるかもしれないけど…」
「いままでは考えもしなかったというか、雲の上の存在だったというか、年齢も年齢なので、という存在でしたけど、実際に僕よりも年齢が上の長友選手が選ばれているのを見て、結果を出し続けていけばいずれは森保監督も僕を見てくれるのかな、と。
その意味では今シーズンに関しては、ちょっと現実味を帯びてきたというか、距離が縮まったというか、目標にしてもいいのかなと自分のなかで思っています」
国内組だけの編成で臨んだ、7月の東アジアE-1サッカー選手権2025決勝大会。ゴールキーパー陣のなかに自分の名前がなかった瞬間に、自分自身が驚くほどの感情が芽生えてきたと太田は笑う。
「自分のなかでも『あっ、こんなにも悔しい気持ちになるんだ』と。周りからは『選ばれるわけがない』と思われるかもしれないけど、自分としてはそれくらいチャンスがあるかもしれないと思っていました。だからこそ、もっとやらなきゃいけないと逆に燃えたというか、やってやろうと思いましたよね」
失点が多かったと反省する前半戦から可能な限り失点を減らし、ペナルティーエリアを積極果敢に飛び出してさらに広いエリアをカバーし、ハイボールやクロスもパンチングではなくキャッチしてフィールドプレイヤーに少しでも休む時間を与えていく。自らをさらに進化させた先に明確な青写真が描かれている。
「追われる側の立場を経験していないので未知の領域になりますけど、それでも僕たちは1試合1試合を常に決勝戦だと思って戦い、結果として最終的にリーグ戦のタイトルを獲れればと考えているので。相手の勝ち点がどうこうだとか、そういったものはいっさい意識せずに勝ち点3を奪い続いていきたい」
リーグ戦が残り10試合となった京都は、2位の柏レイソルに勝ち点1ポイント差で首位に立つ。4戦連発で合計7ゴールを量産し、得点王争いでトップタイとなったFWラファエル・エリアスにけん引される形で、直近の9試合で7勝2分をマーク。初優勝へ一気に加速する京都の最後尾を、一途に夢を追う生き様が京都市内の小学校の道徳授業テーマにもなった太田が、安心感を漂わせながらしっかりと支えている。
(取材・文:藤江直人)
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