Jリーグの開幕から30年余り。歴史が重なるうちに、万人規模のスタジアムで戦うトップチームだけでなくクラブの下部組織にも多くの実績が生まれている。今回はJリーグが今年7月に発表した2024年度の決算をもとに、アカデミー関連経費が高いクラブをランキング形式で紹介する。未来への投資に最も熱心なのはどのチームだろうか？［1/5ページ］

※情報は9月3日時点のもの。

10位：サンフレッチェ広島

2024年度アカデミー関連経費：3億1200万円
前年度経費：2億8400万円

　近年、ユース年代において屈指の強さを誇るサンフレッチェ広島F.C.ユース。U-18 プレミアリーグ発足以来最上位カテゴリーから落ちたことがなく、WEST優勝回数は単独トップの「6」だ。

　U-15世代はユースほど結果を残せていないが、2022年度は全日本ユース（U-15）サッカー選手権大会ではヴィッセル神戸U-15に次ぐ準優勝に輝いている。

　広島はアカデミー関連経費として2024年度の決算では3億1200万円を計上しており、この数字はJリーグ全体で10位の投資規模だ。

　ユースの結果を鑑みると、相対的にコストパフォーマンスは上々と言える。プロ契約まで辿り着く選手も間欠的に輩出しており、育成組織としての実績は多くのサッカーファンが知るところである。

　近年もMF中島洋太朗やDF越道草太など、現在20歳前後のアカデミー出身者がリーグ戦で出番を得ており、要所でポテンシャルを発揮している。今年高校を卒業したばかりのFW井上愛簾も、2024シーズンからJ1の舞台に立っている。

　また、今季からサッカー日本代表としてFIFAワールドカップも経験した駒野友一がユースコーチに就任。さらに20年にわたってヴィッセル神戸のアカデミーを支えてきた後藤雄治が育成部副部長に就任し、ますます体制が強化された。

　広島の前年度のアカデミー関連費用は2億8400万円で、2024年度は増加傾向にあるが、それに見合った基盤を作れているように見える。