Jリーグの開幕から30年余り。歴史が重なるうちに、万人規模のスタジアムで戦うトップチームだけでなくクラブの下部組織にも多くの実績が生まれている。今回はJリーグが今年7月に発表した2024年度の決算をもとに、アカデミー関連経費が高いクラブをランキング形式で紹介する。未来への投資に最も熱心なのはどのチームだろうか?[4/5ページ]
※情報は9月3日時点のもの。
7位:名古屋グランパス
2024年度アカデミー関連経費:3億5000万円
前年度経費:3億7700万円
2017シーズンを除き、高円宮杯U-18プレミアリーグで戦い続ける名古屋グランパスU-18。2019年にはWEST制覇を達成し、以降も高校世代の強豪として安定した強さを見せている。
輩出選手の顔ぶれを見ても、近年は特に成果を上げている。
今年7月にサッカー日本代表の守護神まで辿り着いた19歳のGKピサノ・アレックス幸冬堀尾、高校3年生ながら今季のJ1で7試合に出場し1ゴール1アシストの結果を残している右ウイングバックの森壮一朗がいる。
また、2種登録のFW大西利都はプレミアリーグWESTの得点ランクを独走中だ。
8月29日には、名古屋U-18に所属するGK萩裕陽の来季トップチーム昇格が発表された。ピサノがこのまま活躍を続けた先には海外移籍もあり得るだろうが、彼に続く才能として期待が集まる。萩は世代別の日本代表経験もあり、そのポテンシャルには疑いの余地がない。
また、同クラブは2021年から「名古屋グランパスSDGsアカデミー」というピッチ外の取り組みにも熱心で、今年は昨年に続き「ブラジルキッズプロジェクト」が行われた。
名古屋U-18の選手たちが在日ブラジル人が多く住む保見団地を訪問し、子供たちと交流を深めた。
3億5000万円という投資は、様々な可能性としてスタジアムの内外で芽吹いているように見える。
