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J1 3か月前

「サッカーが楽しくない時期も…」鹿島アントラーズ、濃野公人のゴールは1点以上の重み。立ち返るために「デカい」【コラム】

シリーズ:コラム text by 石田達也 photo by Getty Images

「まだまだ自分はこんなもんじゃない」

 非凡な得点能力を持ち、その輝きを取り戻しつつある濃野は冷静な面持ちのなか感情を込めた口調で言う。

「どれだけ巻き返せるか、自分の中で試されているなと。これが良いきっかけになればいいですし、まだまだ自分はこんなもんじゃないと思っているので、ここからもっと結果にこだわっていきたいです」

 また、中断期間には「邪念をなくそう」と気分転換を含め金髪から黒髪へとイメージチェンジを図った。

「ずっと金髪でやってきて、がっくん(柴崎岳)にも『邪念をなくしたので一生髪を染めないように、明日点を決めます』と言ったら決めたので、一生黒髪ですね(笑)」

 湘南戦では彼の真骨頂が発揮されたが、後にこれが得点量産のフリとなっているかもしれない。

 首位・京都サンガF.C.と勝点で並び2位に浮上した鹿島だが、この日の完勝がタイトルの行方を示すとは限らない。まだまだ山あり谷ありの9試合が待っているだろう。

 それでも一歩ずつ成長と進化を遂げ、自信とプレーへの喜びや楽しさを取り戻した濃野は「ここから怪我をしないように最後まで駆け抜けたいと思いますし、このチームで優勝したい気持ちが強くなって、そこに貢献することが自分に求められているので頑張っていきたいです」と言うと、「鬼木さんも言っていますが『自分たちに集中して、自分たちが勝っていくことが大事だ』と言っているので、そこに集中していきます」と気持ちを新たに前を向いた。

 リーグ優勝を目指す鹿島にとって、前線の攻撃陣だけでなく類稀な攻撃センスと得点感覚を持つサイドバック濃野の復活はポジティブな要素だろう。この勝利で勢いに乗り連勝街道を突き進んでいきたいところだ。

(取材・文:石田達也)

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【了】
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