「走らされたなっていう感覚は…」
鹿島は浦和に先行を許し、関川郁万の1点で追いついたものの、最終的には槙野智章に決勝弾を浴び、1−2で苦杯。この敗戦が引き金になって、当時指揮を執っていたザーゴ監督が解任の憂き目に遭っている。
舩橋自身は緊迫した状況の77分から登場したが、記録に残っているのは終了間際のイエローカードだけ。コロナ禍ということで、観客は1万人以下と閑散としていたが、「この地では同じ轍を繰り返せない」という思いが強かったに違いない。
屈辱の5年前を糧に、23歳になった背番号20は今回、三竿とともにダブルボランチを形成。自分たちのところでどれだけボールを握ってゲームをコントロールできるかという重要命題に向き合ったのだ。
しかしながら、浦和の圧は想像以上に強く、鹿島は序盤から受けに回る展開を強いられた。
開始14分に鈴木優磨がハイプレスから西川周作のミスを誘い、そのまま左足で先制点をもぎ取るというラッキーな形にはなったものの、その後も浦和に押し込まれ続けたのだ。
「走らされたなっていう感覚はありましたし、もうちょっとチャッキー(チャヴリッチ)とキミ(濃野公人)をうまく使って守備ができたかなという感触はあります。
チームとしてもボールを蹴るところ、つなぐところを全体で上げないといけなかったし、つなぐのか蹴るのかが曖昧になっていたのも事実だと思います」