「僕は先発の選手」
鈴木優磨自身も「先発でもサブでも確固たる違いを示す能力がある」ということを改めて実証した格好だ。そう本人を称賛すると「いや、僕は先発の選手ですよ」とキッパリ。あくまで自分はエースとしてチームを引っ張っていくというプライドをにじませた。
「今回は連戦なんで仕方ないという気持ちもありましたし、代わりに出た選手がいいパフォーマンスをしてくれればいいと思った。それで勝てたのは1つの収穫ですね。
自分がいるかいないかの違いは、僕自身が評価することじゃない。今日はこういう結果になりましたけど、今は自分たちが1試合1試合、確実に勝っていって、他のチームがプレッシャーを感じてくれればいい。みんなで目の前の試合に集中していきます」
自分が控えに回ったことで、チーム全体を客観視する機会に恵まれたことは前向きな材料と言っていい。これまでとは違った形で勝利に貢献した鈴木優磨は常勝軍団復活のためにラスト7試合を走り切る構えだ。
やはりエース抜きで鹿島のJ1タイトル獲得はあり得ない。今回のセレッソ戦はその事実を印象付ける絶好の場になったと言える。
(取材・文:元川悦子)
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