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J2 2か月前

ジュビロ磐田はJ1昇格を諦めない。正念場に上原力也が強調する「自分たちのチャンス」【コラム】

シリーズ:コラム text by 河治良幸

「可能性がゼロになったわけではない」

 だが、そこをベースにしてしまうと、磐田が本来やるべきベクトルを見失ってしまう。だからこそ、続ける勇気と変える勇気の両方が大事になってくる。少なくとも大宮戦では自分たちの積極的な戦いで相手の良さを押し込めていくこと、逆に粘り強く耐えて乗り切ること、その両方ができなかった。

 突き詰めれば十分にリードを広げられる時間帯で3点目、4点目を仕留められなかったこと。それが磐田の目指すスタイルの観点で、大宮戦で足りなかった本質でもある。

 上原は「僕もそっちで。試合後に選手たちに言ったけど・・・」と頷きながら「3-0、4-0にできたと思う。1つのトラップだったり、パスだったり、そんなに難しくないことでも、今のスタイルでやるんだったら確実に、もっともっとやらないといけない。確実に仕留めるところを仕留めなきゃいけないし、チャンスになりそうで終わってるところを、しっかりものにしなきゃいけないシーンも多かった」と振り返り、自分たちの課題に目を向けた。

「本当に苦しいときに、(悪い流れに)のまれるのは簡単ですけど、ここで全員が顔を上げ、次に向けて最高の準備ができるように切り替えなければいけない。可能性がゼロになったわけではないので、本当に次の勝利に向けて準備したいです」と上原。

 磐田にはキャプテンの川島永嗣をはじめ、上原や中村駿など、幾度となく修羅場を戦ってきた選手たちもいるが、苦しい状況ほど、全員が矢印を向けながら前向きに戦っていくというのは言葉に表すほど簡単なことではない。

 それでも、ここで折れてしまったらシーズンは事実上のゲームオーバーになってしまう。精神的なタフさとフットボールの質、その両面にこだわって、困難を乗り越えていけるか。

 4試合負けなしから“県勢対決”のアウェイ藤枝MYFC戦、さらに”6ポインター”の大宮戦を落としたことが、シーズンの明暗を分けた連敗として残ってしまうかどうかはここからの立て直しにかかっている。

 ここからが本当の正念場だ。

(取材・文:河治良幸)

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【了】
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