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Jリーグ 2か月前

「最後に甘さが…」藤井海和は何度も後悔を口にした。ファジアーノ岡山を体現しよう。苦しい状況に直面しても腐らなかった【コラム】

シリーズ:コラム text by 難波拓未 photo by NN

木山隆之監督が藤井海和に寄せる期待「努力が少しずつ形になってきている」

 同期のMF家坂葉光と切磋琢磨しながら、GK金山隼樹やMF竹内涼、MF嵯峨理久といった先輩のひたむきさにも触発され、努力をし続けた。だからこそ、木山隆之監督から再び先発を託された。

「ここ最近、努力が少しずつ形になってきている。トレーニングの中でも非常に『やれてる』という感覚を我々も彼も持っていました。今はボランチの台所事情が少し厳しい中で、ここはそろそろスタートを渡すタイミングだと思っていました。最後に足をつって、もう動けなかったですけど、それぐらいやらなきゃいけないし、それぐらい今日はやったという証拠だと思う。また一回り強くなって、うまくなって、しっかりとチームの戦力になってほしいなと思います」

 前半にはPA内の右に潜り込む動きで、この試合最大と言っていいチャンスを作った。3列目からの飛び出しという強みを発揮すると同時に、「正直パスが来た時は入ったと思ったんですけど、最後に身体を張ってきた昌子(源)さんがあそこで突っ込んできた。その嗅覚というか、日本代表の選手や首位争いをしているチームとの違いを肌で感じた」と向上の余地も感じたようだ。

「怪我人の状況も含めて競争が激しくなる中で、自分の特徴をもっと伸ばさないといけない。J1に定着しようとしているチームにおいて、自分がもっと成長して力にならないと、このチームは上には行けない。そう思っているし、それくらい自分の成長とチームの成長の関係性について監督からの期待も感じているので、応えられるようにしたいです」

 理想からも現実からも、逃げない。勝利を告げるタイムアップの笛を、ピッチ上で聞くために。プロになって初めての90分が、背番号3の明るい未来を作っていく。

(取材・文:難波拓未)

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【了】
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