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Jリーグ 1週間前

ルカオはなぜ子どもの心を掴むのか? ファジアーノ岡山の「心優しき重戦車」のルーツは「悲しかった」少年時代の記憶【コラム】

シリーズ:コラム text by 難波拓未 photo by Getty Images

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「明治安田J1リーグ初挑戦のシーズンで、ファジアーノ岡山は8位という上々の滑り出しを見せている。加入3年目のFWルカオはその恵まれた体格を存分に活かし、対戦相手の脅威に。ルカオの魅力はその力強いプレーだけに留まらない。練習後に見せる意外な一面は、少年時代の原体験が大きく影響している。(取材・文:難波拓未)

著者プロフィール:難波拓未

2000年4月14日生まれ。岡山県岡山市出身。8歳の時に当時JFLのファジアーノ岡山に憧れて応援するようになり、高校3年生からサッカーメディアの仕事を志すなか、大学在学中の2022年にファジアーノ岡山の取材と撮影を開始。2024年からは同クラブのマッチデープログラムを担当し、サッカーのこだわりを1mm単位で掘り下げるメディア「イチミリ」の運営と編集を務める。(株)ウニベルサーレ所属。

“高速重戦車”ルカオがピッチに立つ

ファジアーノ岡山 ルカオ

【写真:Getty Images】

身長191cm・体重91kgのパワーと時速34.8kmのスピードが試合の趨勢を決めた。

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 ファジアーノ岡山は第9節にFC東京とJFE晴れの国スタジアムで激突。岡山はホーム戦で滅法強く、木山隆之監督の下で成熟させてきた攻守にアグレッシブなスタイルを大入りのファン・サポーターの前で貫徹。J2時代の昨季から数えると公式戦10試合負けなしで、初挑戦中のJ1でも3勝2分と、ホームでの強さを証明してきた。

 今節も61分にMF田部井涼のスーパーゴールが生まれ、1点のリードを最後まで守り切って勝利。ホームでの無敗記録を「11」に伸ばした。

 しかし、決して簡単な試合ではなかった。むしろ今季のホーム戦の中では最も苦しんだとも言える。なぜなら、岡山が前半の立ち上がりから向かい風の影響を受けて、自分たちのスタイルを表現する上で不可欠な「相手コートで攻守を展開する」をできなかったからだ。

 特に立ち上がりの15分は防戦一方だった。サイドの深い位置から鋭いクロスを供給され、ペナルティーエリア内でシュートを打たれる決定機を何度も作られた。それでも、GKスベンド・ブローダーセンを中心に身体を張ってゴールを死守。J2時代から研ぎ澄ませてきた耐える力を発揮し、スコアレスで試合を折り返した。

 風上に立った後半は、キックオフから2分後に右サイドを崩してMF松本昌也がネットを揺らすも、VARオンリーレビューの結果、3試合連続となるノーゴール判定に。スタジアムに鬱屈とした空気が流れたが、その後の59分に割れんばかりの拍手と歓声が沸き起こる。晴れの国が誇る“高速重戦車”、FWルカオがピッチに登場したのだ。

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