「そんなものに負けていたら…」

「縦パスやロングパスで攻撃に絡むことが自分の持ち味であり、それが出せなくなったら自分の良さが消えてしまう」

　そう主張する根本は、攻撃の起点としての役割を強く意識する姿勢が目についた。

　同じ左利きで、普段とは違う右センターバックとして、根本とコンビを組んだホイブラーテンも笑顔を見せながらこう語る。

「素晴らしい試合をしたと思います。僕自身も彼に満足していますし、我々の連係も非常に良かったです。

　本当に素晴らしいロングパスを持っています。レンジも広いですし、対人でも非常に強い。今日はすべて順調に彼の良さが出ていました。この関係性をもっと深めていきたい」。

　根本は試合前までほとんど緊張はしていなかったというが、いざ試合に入るときに緊張感が襲ってきたという。

　そうしたプレッシャーを冷静に受け止めながら「そんなものに負けていたらプロサッカー選手としてはやっていけないと思っています。メンタル面で負けないようにして、自分のプレーを出すことだけを考えてピッチに立ちました」と振り返る。

　チームキャプテンの関根貴大は根本の活躍に関して「練習よりいいなと思いましたよ（笑）。練習でも見せてよって」と半分ジョークを入れながら賞賛し、根本の縦パスによってアタッカー陣も生きてくることを主張した。